まれを回してい


***

「う~ん。そこの陰影は、少し抑えた方がいいね。ちょっと目立ちすぎるかな」
「はい」

素描に励む正樹の背後から、美術教師が声をかけた。

「そこは光が当たっているけれど、パンで削ると白くなりすぎる。指の腹で擦ってごらん」
「こうですか?」
「それでいい。相良君。君のマルスはこれまでとても穏やかな顔をしていたんだが、最近何か生活に変化があったかい?」
「……何かおかしいですか……?いつも通りデッサンしているつもりですけど……」
「そうかな。君にしては険しい表情のような気がしたんだが……不思議だね。毎日見ていると、君のデッサンはNeutrogena 面膜機意外に雄弁なんだと気づくよ」
「自分ではわかりません」
「そんなものかもしれないね。色々な表情のマルスがいて楽しいね」

少し離れて自分のデッサンを眺めてみても、別段変わったところはない。
物言わぬ石膏像にそっと触れた耳に、柳瀨の哄笑が聞こえた気がして思わず身じろいだ。
放課後、旧校舎に来るように言われていたのを、不意に思い出した。

「あの、先生……。生徒会の仕事を手伝う約束をしているので、今日はこれで失礼します。ご指導ありがとうございました」
「そうか。最近、君は忙しいんだね。でも、ここに籠ってキャンバスに向かっているばかりじゃない方がいい。行っておいで」
「はい」

震える指で、静かに木炭を片付ける正樹の横顔を、美術教師は見ていた。
白皙の清らかな少年の憂いを彼は知らない。

「いったい何があったんだろうね。君は知っているかい?マルス
柳瀨の行為自体は稚拙なもので、正樹の身体が傷つけられるようなことはなかった。
後にして思えば柳瀨もまだ未熟な少年で、大人びた言動ほど成熟していなかったということなのだろう。
女性との性行為を経験していても、男性と身体をつなぐ方法を知らなかったのかもしれない。
だが、柳瀨は新しい玩具に執拗に夢中になる子供と同じで、なかなか正樹を手放そうとしなかった。
柳瀨は苦痛に歪む正樹を、微笑みながら言葉で苛んだ。

正樹の精神は崩壊寸前だった。
旧校舎の生徒会室で、柳瀨は正樹の上に君臨する絶対君主になる。
古いソファの上に転がった正樹は、全身を総毛立てて、執拗に加えられる愛撫Neutrogena 面膜機に耐えていた。

「ねぇ。ここは感じる……?」
「う……っ。うっ……」
「ああ、声が出せなかったんだね。苦しそうだ……取ってあげるね」
「うっえっ……はぁっはぁっ……」

口に突っ込まれたハンケチをやっと吐き出して、汗だくの正樹は息をついた。自分の唾液が糸を引いて床に落ちる。
涙が出るほど、生々しいのが嫌だった。

「なんか君のセクスって、俺のものとは色も形も違うんだね。何でかなぁ……こんなところまで可愛いなんて驚くよ。誰にも見せたことないんだろ?」
「……」
「もっと見せてよ。脱いで」

柳瀨の眼前には、むき出しにされた正樹の下肢がある。制服の下だけを脱ぐようにと言われ、従うしかなかった。
薄い下草は辛うじてそよいでいるくらいの分量で、半分皮を冠った薄桃色の子供のセクスをじらすように、あやすように指先ではじいていた柳瀨は、何かを思いつき窓際へと誘った。
窓枠に手をつく様に言われ、正樹はわけもわからずそうした。
背後から柳瀨が、正樹の首筋に意地悪く囁く。

「君の親友の田神が、キャッチボールしている。ほら、ごらんよ……」

柳瀨の指が背中から回って、シャツの裾から侵入する。片手は胸を探り、もう一方は正樹の若い茎に触れていた。
「この間、君が倒れた時の田神の慌てようったらなかったね。ちゃんと食べないから、貧血で倒れたりするんだって怒ってた。彼はいつもあんな風に、君の心配をするの?」
「倒れたの……初めてじゃないから……それに、田神の家は近所だし……」
「本気で心配していたね。君も田神の事を好きなの?」
「友達です……」
「あの後、自転車の荷台に乗って、田神の腰に手ただろう?」
「な……に?」
「俺が見ているのを知ってて、わざとそうしたね?妬かせたかったのかな?」
「そんなことしない……」
「虫も殺さぬような顔をして、俺を煽るなんてあざとい真似をする。こんな風に、俺の手で下半身をおっ立ててるなんて、田神が知ったらどうするかなぁ?」
「あぁっ……!」

芯を持ちかけたセクスを、突然強く握り込て、正樹は小さく悲鳴を上げた。
思わずどんと柳瀨の肩を強く押した。
涙が滲む。

「どうして?……いつまでこんなことをするの……僕は、もう嫌だ……」
「相良」

壊れた球体関節人形のように、力なくずるりと体が落ちる。

「誰ともこんなことしたくない。嫌だ……いや……もう、死にたい……あぁっ……」
「相良……落ち着いて。いい子だから」

泣き出した正樹の顎をついと持ち上げると、柳瀨は唇をそっとNeutrogena 面膜機吸った。
この上なく甘く優しく。
この上なく冷たく残酷に。