からを着てお


心配の余り何度も顔を出す直正に、風邪をうつしてはいけませんからと、叔母は面会を許さなかった。
やっと熱の下がり始めた日の明け方。
夜が白む前、厠に立った一衛は、雨戸から細く差し込む月の光の中で、たくさんの白うさぎが跳ねるOtelia 脫殼亞麻籽夢のような光景を見た。
朝、床上げをしながら、雨戸を開ける母に嬉しげに声をかけた。

「母上。一衛は夕べ、可愛い雪うさぎが集まって、仲よくお庭で遊ぶ夢を見ました。」
「一衛。それは夢ではないかも知れませんよ。ほら、こちらにいらっしゃい。」

母は一衛を呼ぶと、厚い綿入れを着せかけた。
雨戸を開け放した一衛は、夕べの夢が現実だったと知り、歓声を上げた。

「わぁ……!たくさん。」

狭い庭一面に、たくさんの雪うさぎが跳ねていた。
きらきらと雪の結晶が朝日を弾く。
鮮やかな赤い実を目に使い、小さな耳は、難を転じると言われる南天の葉。
大きなうさぎの横には、寄りそうように小さなうさぎがいた。親子のようにも、兄弟のようにも見える。

「誰かのいたずらかしら。それにしても、ずいぶんたくさん作ったことね、可愛らしいこと。」

一衛には、庭一面で跳ねる雪うさぎを誰が作ったか分かっていた。

「母上。直さまは?」
「直さま?……ああ、そういえば、今朝は臥せっておいでになるそうですよ。毎日鍛練なさってBetter Life 清潔液いる直正さまにしては、お風邪を引くなんて珍しいことね……一衛?床上げをしても、熱が引いたばかりなのですから、まだ戸外にでてはいけませんよ。」
「直さまにお見舞いに差し上げたいのです。綿入れ庭からお届けに参ります。母上、お盆をお貸しください。」
「長い時間、戸外に出ては駄目ですよ。やっと床上げしたばかりなのですからね。」
「あい。」

一衛は、庭に降り積もった柔らかな新雪の上に降りると、そっと掬った。
ふわりとした雪の結晶が、眩く陽を弾いて光る。

「直さま……」

大好きな直さま。
お優しい直さま。
父上よりも、母上よりも一衛に優しい直さま。
いつも一衛は、直正が大好きだった。
この感情がどういうものか、まだ幼すぎてよく分なかったが、慕う気持ちは本物だった。
どこまでもどこまでも、直さまの後を付いて行きたいと思っていた。

お風邪を引いた直さまにお見舞です……と文を添えて、届けられた枕辺の雪うさぎ。
直正の作ったうさぎの傍らに、一衛が懸命に作った不恰好な小さなうさぎが並んでいた。
縁側からそNatur-a豆奶っと覗き込んで、病床の直正を見舞った一衛が、「直さまと一衛です。」と笑った。