て初かったから


「琉生は大きくなったよな。初めて会った時は、きゅうこうじゃーが大好きで、僕らの事なんて眼中になかった。サインしてもらったTシャツが小さくなってお母さんが捨てるって言った時、まだ着る~ってわんわん泣いてたのを覚えてるよ。」
「それ、一年生になる前の話だよ。あのTシャツ結局、色も褪せてるからってお母さんは捨てちゃ香港と中国ツアーったんだ。ぼく、角まで泣きながらごみ袋を拾いに行ったんだよ。」
「琉生はそんな前の事を、覚えてるのか?」
「うん。尊兄ちゃんと隼人兄ちゃんに会ったのは、生まれめて遊園地に行った日だったんだ。帰りにたくさんおもちゃを貰って、すごく嬉し覚えてる。尊兄ちゃんが抱っこしてくれて、レッドが頭を撫でてくれたんだ。嬉しくて胸がどきどきした。」
「そうか。琉生にはいい思い出だったんだな。良かったよ。」
「きゅこうじゃーと敵を倒したんだよ、忘れないよ。」
「ははっ、そうだったな。」
「きゅうこうじゃーブラスターで、こうやって怪人を倒したんだよ。」

琉生は撃つポーズを取って見せた。
そう言う尊も、遊園地での出来事を覚えていた。
ソフトクリームを両手で持ったまま、どうすればいいのか思案顔を向けた琉生の仕草。初めて首爾自由行套票会った父の再婚相手の連れ子に、尊はその日から庇x掻き立てられっぱなしなのだ。
小さな弟が、可愛くて仕方がない。
それこそ誰にも渡したくないほどに。

「尊兄ちゃん、大学に行ったら一人で住むの?」
「そうだな。大学の近くにアパートを借りるつもりなんだ。多分奨学金がおりるはずだから、親父のすねは余りかじらなくても済むと思う。なるべく自力で頑張ろうと思ってるんだ。」
「お泊りに行ってもいい?」
「勿論いいよ。そういえば、聞いた事なかったな。琉生は大きくなったら何になりたいの?」
「ぼく?あのね……絵を描く人になりたい。まだ誰にも言ってないし、なれないかもしれないけど。夢だよ。」
「琉生の絵はいい絵だものなぁ。お兄ちゃん、琉生の絵温かくて好きだぞ。誕生日に琉生が描いてくれた絵、大切に取ってあるんだ。僕の宝物だ。ただなぁ、美大に行くつもりなら、これから勉強も頑張らないと大変だぞ。絵だけ頑張っても、大学は受からないからな。勿論実技も必台北自由行套票要だろうけど。」

琉生は尊の膝から滑り降りた。