まれを回してい


***

「う~ん。そこの陰影は、少し抑えた方がいいね。ちょっと目立ちすぎるかな」
「はい」

素描に励む正樹の背後から、美術教師が声をかけた。

「そこは光が当たっているけれど、パンで削ると白くなりすぎる。指の腹で擦ってごらん」
「こうですか?」
「それでいい。相良君。君のマルスはこれまでとても穏やかな顔をしていたんだが、最近何か生活に変化があったかい?」
「……何かおかしいですか……?いつも通りデッサンしているつもりですけど……」
「そうかな。君にしては険しい表情のような気がしたんだが……不思議だね。毎日見ていると、君のデッサンは意外に雄弁なんだと気づくよ」
「自分ではわかりません」
「そんなものかもしれないね。色々な表情のマルスがいて楽しいね」

少し離れて自分のデッサンを眺めてみても、別段変わったところはない。
物言わぬ石膏像にそっと触れた耳に、柳瀨の哄笑が聞こえた気がして思わず身じろいだ。
放課後、旧校舎に来るように言われていたのを、不意に思い出した。

「あの、先生……。生徒会の仕事を手伝う約束をしているので、今日はこれで失礼します。ご指導ありがとうございました」
「そうか。最近、君は忙しいんだね。でも、ここに籠ってキャンバスに向かっているばかりじゃない方がいい。行っておいで」
「はい」

震える指で、静かに木炭を片付ける正樹の横顔を、美術教師は見ていた。
白皙の清らかな少年の憂いを彼は知らない。

「いったい何があったんだろうね。君は知っているかい?マルス
柳瀨の行為自体は稚拙なもので、正樹の身体が傷つけられるようなことはなかった。
後にして思えば柳瀨もまだ未熟な少年で、大人びた言動ほど成熟していなかったということなのだろう。
女性との性行為を経験していても、男性と身体をつなぐ方法を知らなかったのかもしれない。
だが、柳瀨は新しい玩具に執拗に夢中になる子供と同じで、なかなか正樹を手放そうとしなかった。
柳瀨は苦痛に歪む正樹を、微笑みながら言葉で苛んだ。

正樹の精神は崩壊寸前だった。
旧校舎の生徒会室で、柳瀨は正樹の上に君臨する絶対君主になる。
古いソファの上に転がった正樹は、全身を総毛立てて、執拗に加えられる愛撫に耐えていた。

「ねぇ。ここは感じる……?」
「う……っ。うっ……」
「ああ、声が出せなかったんだね。苦しそうだ……取ってあげるね」
「うっえっ……はぁっはぁっ……」

口に突っ込まれたハンケチをやっと吐き出して、汗だくの正樹は息をついた。自分の唾液が糸を引いて床に落ちる。
涙が出るほど、生々しいのが嫌だった。

「なんか君のセクスって、俺のものとは色も形も違うんだね。何でかなぁ……こんなところまで可愛いなんて驚くよ。誰にも見せたことないんだろ?」
「……」
「もっと見せてよ。脱いで」

柳瀨の眼前には、むき出しにされた正樹の下肢がある。制服の下だけを脱ぐようにと言われ、従うしかなかった。
薄い下草は辛うじてそよいでいるくらいの分量で、半分皮を冠った薄桃色の子供のセクスをじらすように、あやすように指先ではじいていた柳瀨は、何かを思いつき窓際へと誘った。
窓枠に手をつく様に言われ、正樹はわけもわからずそうした。
背後から柳瀨が、正樹の首筋に意地悪く囁く。

「君の親友の田神が、キャッチボールしている。ほら、ごらんよ……」

柳瀨の指が背中から回って、シャツの裾から侵入する。片手は胸を探り、もう一方は正樹の若い茎に触れていた。
「この間、君が倒れた時の田神の慌てようったらなかったね。ちゃんと食べないから、貧血で倒れたりするんだって怒ってた。彼はいつもあんな風に、君の心配をするの?」
「倒れたの……初めてじゃないから……それに、田神の家は近所だし……」
「本気で心配していたね。君も田神の事を好きなの?」
「友達です……」
「あの後、自転車の荷台に乗って、田神の腰に手ただろう?」
「な……に?」
「俺が見ているのを知ってて、わざとそうしたね?妬かせたかったのかな?」
「そんなことしない……」
「虫も殺さぬような顔をして、俺を煽るなんてあざとい真似をする。こんな風に、俺の手で下半身をおっ立ててるなんて、田神が知ったらどうするかなぁ?」
「あぁっ……!」

芯を持ちかけたセクスを、突然強く握り込て、正樹は小さく悲鳴を上げた。
思わずどんと柳瀨の肩を強く押した。
涙が滲む。

「どうして?……いつまでこんなことをするの……僕は、もう嫌だ……」
「相良」

壊れた球体関節人形のように、力なくずるりと体が落ちる。

「誰ともこんなことしたくない。嫌だ……いや……もう、死にたい……あぁっ……」
「相良……落ち着いて。いい子だから」

泣き出した正樹の顎をついと持ち上げると、柳瀨は唇をそっと吸った。
この上なく甘く優しく。
この上なく冷たく残酷に。

答え逢わ


「そ、そのようなことは???ただ、お聞きしておりましたクシナダヒメさまと、余りにご様子が違いましたので、多少驚いたのは確かです???」

「おねえさんたち。ぼくがちびのころから、いつも遠くからじっと眺めていたでしょ?」

「ちびのぼくを、みんなで怖がらせて喜んでいたんだ、???悪趣味だねぇ。」

「あの。それは、お元気でお過ごしかどうか、ご様子を伺いに参っただけでございますよ。」

ほら、やっぱりそう研究 中心だったんだ。
意外な種明かしに、少しばかり驚いた。

気を良くして、もう少し話を振ってみた。

「姿は見えないけど、クシナダヒメっているんだよね?この屋敷の中に。」

おねえさんは、それには応えずその場に突っ伏して「お許しくださいませ。」と平身低頭だった。

「いやだなぁ???ぼく、先に一目会いたいと思っただけだよ。だって???」

「ぼく、「そのため」に呼ばれたんでしょ?」

カマをかけてみた。

「それにね、「関係」あるんだもの。会いたいと思っても不思議じゃないでしょ?」

「ご存知だったんですか?」

思いがけず、返答のその声は明るい。
何が何だか分からないけど、とりあえずぼくは知ったかぶりをして、深く頷いた。

「ああ。左様でございましたか。では、神楽の席であなたさまがクシナダヒメ様と魂を交代なさるのも、御承諾なさったのですね。」

「ご決断されるかどうか、みなで気を揉みました。ああ、良かった。」

魂の交代????ざっと血の気が引くのが自分で分かった。
そうか???そういうことか。

「やれ、嬉しや。」

「緋色様の、積年の思いが成就する、めでたき日が今度浸會大學BBAこそ来ようとは。」お姉さんは、嬉々として俄然、口が軽くなった。

「とうとう、クシナダヒメさまの血流、稲田家とヤマタノオロチの血流、海鎚家の御婚姻が叶うのですね。」

「まことに、おめでとうございます。」

「あ???、はい。」

もう、いいよ。

解ってしまった。
親父が頭を下げた、人身御供と言う意味。
ぼくがぼくでなくなるという、本当の意味。

孤立無援、と言う言葉くらいいくら物を知らないぼくでも知っている。
もう1つ、こんなときに使うのは、四面楚歌だっけ????
妙に冷静になっている気がする。

???違う。
今のこの気持ちはたった一人何も知らなかった、単なる「疎外感」だ。
昨日みたいに、ぼくの身体を誰かに(クシナダヒメだか姉ちゃんだか)明け渡すために「神楽」が奉納されるってことなんだろ?
親父とお袋を前に、ぼくはずるずるの着物のまま、仁王立ちしていた。

「ぼくは、この世から綺麗さっぱり、いなくなっちゃうってことなんだね。」
「クシ、すまん。」

もうこれ以上、隠し切れなくなったと悟って、親父は饒舌に語った。

「こうなったら、知っている限り、何でもるから聞いてくれ。」

居直ったような父親と、黙って涙ぐむ母親と何だか、いつもと様子が違っていた。
二重にぼんやりと、白髪頭の老夫婦が見えるような気がする。

「姉さんか、妹か知らないけど、ぼくがちびのときに亡くなった人とぼくの魂が入れ替わるんだろ?どこにいるの?」

「もう、分かってしまったんだから、会えるのならせて。話をするくらいいいでしょ?」

断られるかと思ったけれど、おふくろがすっと立っていらっしゃいと言って、部屋を出た。
案外女の人のほうが、いざとなったら肝が据わっているのかもしれない。
古い屋敷の中浸大工商管理を迷う事無くお袋は歩き、やがてクシナダヒメの絵をかけてある部屋に入った。
この家で、ぼくが最初に通された部屋だった。

凪の保持する天


その日、詩鶴ははにかみながら、畑のシロツメクサで作った花冠と首飾りを、おずおずと差し出した。

「おばさま、お誕生日おめでとう。」
「おめでとう、ですって?」
「何がめでたいの?こんなもの!」

天音の母は詩鶴の心づくしを払いのけたばかりか、ヒールのかかとでWedding Shoulder 價錢踏みしだいた。
驚きのあまり大きな目を見開いたまま、詩鶴は言葉を失って立ちつくし呆然としていた。
足元には、心を込めて作った花の残骸が散らばっていた。
涙を零す暇も与えないような激しい憤りに、傍にいた天音の胸にも何故…と疑問が渦巻いた。

「お母さん。詩鶴を叱らないで。ぼくがお母さんのお誕生日を教えたんだ。」
「詩鶴はただ、お母さんに喜んでもらおうと思っただけだよ。こんな???」

その時の母の視線を天音は一生忘れない。
いたいけな子供に向けた憤怒の表情は、天音が思わず後ずさりするほど烈しい物だった。
天音には、何とかそこから詩鶴をそっと連れ去ることしかできなかった。
涙を浮かべた可愛らしい天使は、そこから先もいつも悲しい目にばかりあっていたように思う。
幼い詩鶴を守ってやりたかったが、あまりに若い天音は無力だった。

*************************

「天音お兄ちゃん???」
「???ぼく、わるい子かなぁ???」

踏みしだかれた、花冠の残骸を悲しげに詩鶴は見つめていた。

「詩鶴が悪い子のわけないだろう?」
「でも???でもね???、おばさまは、ぼくをきらいね????」

鈴を張ったような大きな目を向けて、詩鶴は天音に出せない答えを待っていた。

「どうしてかなぁ???」

詩鶴は誰に問うでもなく、一人理不尽な嵐に耐えていた。
宥める言葉を失って、天音は仕方なく小さな詩鶴を背負うと花の下を散歩した。
病院経営にDerma 21 好唔好忙しい父親は、妻に似た詩鶴を眺めるのが辛かったのだろう。
いつも詩鶴の世話は、家政婦任せにしていた。
たった一人、誰も話し相手のいない食卓で、詩鶴は一人で食事をとった。
受験勉強で忙しい天音と過ごすわずかな時間だけが、詩鶴の安らぎだった。

「詩鶴???」

いつしか小さな寝息が聞こえる。
背中で重くなってきた温もりのある存在に、天音はほっと息をついた。
満開の桜の下で、同じ顔の儚い女性に託された少年を天音はそっと前に滑らせ、抱きなおした。
閉じた目元に、涙の跡がある。
柔かい頬に唇を寄せ舐めたら、甘い塩の味がした。


拙作「新しいパパができました」の前の話になります。
詩鶴が生まれたところから、お話は始まります。
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天音が全てを知るには、まだしばらくの時を擁した。

10歳の年の差はどうしようもなく、受験を控えた天音は詩鶴と過ごす時間が減ってゆくのを気にしていた。
全国区の進学校、州灘高校でも常に上位の成績を音に周囲の期待は大きく、父親のように優秀な外科医師になる道を嘱望されていると感じていた。

「今度もA判定なのね。あなたはお祖父様に似たのね。お母さん、鼻が高いわ。」

気位の高い母は、天音が自分の理想通りに成長していると喜び、その愛はすべてわかりやすく過剰に注がれていた。
負担に思うこともあったが、それでも母の機嫌を損ねるわけには行かなかった。
母の怒りは、なぜか常に詩鶴に向かうから???。

「お母さん。この分だと医学部は大丈夫のようです。」
「僕の数学好きは、お母さんに似たんですね、きっと。正直、苦にならなくて助かってます。」

天音は自分に似た顔を覗き込むと、母の自尊心をくすぐった。
元来男子は、母に似るのだ。
天音の成績に母は満足し、その姿に息子は安堵する。
自分が期待に応えてDerma 21 好唔好さえいれば、母は夕ように穏やかでいられるのだ。

「お母さん。時間大丈夫ですか?笹塚のおばさまは、きっと首を長くしてお待ちですよ。」
「そうだわ、もう行かないと。今日は帰りも遅くなりますからね。お父さんにも伝えておいて。」
「ええ。」

に断しが決


「すみません。図々しくお世話になります。」
「エアコンは使えるが、建物と一緒で家具も風呂もずいぶん古いんだ。不自由が有ったら何でも言って来ると良い。他の学生向けマンションの空き部屋から、取ってきてあげるよ。」
「ありがとうございます。家電があると直ぐに生活できるんで助かります。」

尊の友人が紹介してくれたアパートは、琉生の校区内の場所で駅前の繁華街から少し離れた静かな所にあった。

築40年の古いアパートは、数年後には取り壊まっていて、新しいマンションが立つ予定らしい。家主の話だと、残って實德金融いる入居者も、今は数人しかいないという事だった。
無償でも構わないよ、というありがたい申し出はさすがって、格安で家財付きの部屋を借りた。

尊は荷物を運びこむとホームセンターへ行き、掃除機やアイロンなど少しの小物家電と布団を買った。
自分も独り暮らしをしているから、必要なものは分かる。洗濯機や冷蔵庫など、最小限の生活必需品は揃っているので、出費も大した事は無い。
そのまま、琉生を迎えに行く。

「琉生!」
「あ。尊兄ちゃん!」
「もう引っ越し終わったぞ。行こう。初めての一人暮らしだな。」

夕方、校門で出て来るのを待っていた尊は、そのまま車で琉生を新しい住処へと案内した。琉生は助手席で、不安そうにしていた。
初めての一人暮らしだ、無理はない。

「学校からも塾からも近いんだ。いい場所だろ?」
「うん。え~と……すごくアンティークな建物だね。」
「築40年ものだからな。でも中は、思ったより綺麗なんだ。解体が決まってから、住人も引っ越しを始めているから、静かだよ。」
「じゃあ、あまり人がいないんだね、ここ。」

琉生は鍵を受け取ると、自分の城になった部屋へと足を踏み入れた。

「わぁ~……台公屋二按所とは別に2つも部屋がある。へぇ~、家具もこれ全部備え付けなの?」

琉生はあちこち見て回った。

「エアコン何て贅沢だから、扇風機で我慢しろと言いたかったんだが、備え付けなんだ。建物は古いけど、家電はまだ三年くらいしか経ってないそうだ。いい物件だろ?」
「でも……尊兄ちゃん。ぼく、高いところは払えないよ?夏休み以外、バイトはできないし、お母さんのお金は大事に使わないと。うんと、切り詰めなきゃ。」
「心配するな。同級生の親が不動産屋だったんだ。友達割引で、敷金礼金無しで家賃は3万5千円だ。しかも光熱費、水道代込みだぞ。」
「すごい~!尊兄ちゃん、見て、見て。トイレとお風呂が別々だ。」

話も聞かず、違うところで感動している琉生の姿を見て、尊は吹きそうになった。

「気に入ったか、琉生。」
「うん。ここなら油絵描いても平気だね。臭いを気にしなくていいなんて、うれしいなぁ。ぼくね、美術部で油絵始めたから、自分のアトリエが欲しかったんだ。それに、部屋があるから、尊兄ちゃんにも隼人兄ちゃんにも泊まってもらえるね。」
「そうだな。早速、隼人が帰りに寄るそうだ。晩飯はどうする?」
「近くにスーパーあったっけ?」
「あるぞ。行ってみるか?」
「うん。ぼくカレー實德作るよ。三人で食べよう。」

からを着てお


心配の余り何度も顔を出す直正に、風邪をうつしてはいけませんからと、叔母は面会を許さなかった。
やっと熱の下がり始めた日の明け方。
夜が白む前、厠に立った一衛は、雨戸から細く差し込む月の光の中で、たくさんの白うさぎが跳ねるOtelia 脫殼亞麻籽夢のような光景を見た。
朝、床上げをしながら、雨戸を開ける母に嬉しげに声をかけた。

「母上。一衛は夕べ、可愛い雪うさぎが集まって、仲よくお庭で遊ぶ夢を見ました。」
「一衛。それは夢ではないかも知れませんよ。ほら、こちらにいらっしゃい。」

母は一衛を呼ぶと、厚い綿入れを着せかけた。
雨戸を開け放した一衛は、夕べの夢が現実だったと知り、歓声を上げた。

「わぁ……!たくさん。」

狭い庭一面に、たくさんの雪うさぎが跳ねていた。
きらきらと雪の結晶が朝日を弾く。
鮮やかな赤い実を目に使い、小さな耳は、難を転じると言われる南天の葉。
大きなうさぎの横には、寄りそうように小さなうさぎがいた。親子のようにも、兄弟のようにも見える。

「誰かのいたずらかしら。それにしても、ずいぶんたくさん作ったことね、可愛らしいこと。」

一衛には、庭一面で跳ねる雪うさぎを誰が作ったか分かっていた。

「母上。直さまは?」
「直さま?……ああ、そういえば、今朝は臥せっておいでになるそうですよ。毎日鍛練なさってBetter Life 清潔液いる直正さまにしては、お風邪を引くなんて珍しいことね……一衛?床上げをしても、熱が引いたばかりなのですから、まだ戸外にでてはいけませんよ。」
「直さまにお見舞いに差し上げたいのです。綿入れ庭からお届けに参ります。母上、お盆をお貸しください。」
「長い時間、戸外に出ては駄目ですよ。やっと床上げしたばかりなのですからね。」
「あい。」

一衛は、庭に降り積もった柔らかな新雪の上に降りると、そっと掬った。
ふわりとした雪の結晶が、眩く陽を弾いて光る。

「直さま……」

大好きな直さま。
お優しい直さま。
父上よりも、母上よりも一衛に優しい直さま。
いつも一衛は、直正が大好きだった。
この感情がどういうものか、まだ幼すぎてよく分なかったが、慕う気持ちは本物だった。
どこまでもどこまでも、直さまの後を付いて行きたいと思っていた。

お風邪を引いた直さまにお見舞です……と文を添えて、届けられた枕辺の雪うさぎ。
直正の作ったうさぎの傍らに、一衛が懸命に作った不恰好な小さなうさぎが並んでいた。
縁側からそNatur-a豆奶っと覗き込んで、病床の直正を見舞った一衛が、「直さまと一衛です。」と笑った。

子役の演勝て


 「冬休みにうちに泊まりに来ないか?」
 「いいの?」
 「うん、うち田舎だから結構広いし普段みんなの家になかなか行けないから」
 「本当?」
 「もちろん、望遠鏡があるから星を一緒に観察しよう」

 僕らは目を輝かせた。
 中学校一年生の僕にとっても友達の家での外泊は経験がなく、それも天体観測という「高級」なメニューで楊海成ある。

 「家に帰って相談してみるよ」

 話はとんとん拍子に進み、僕らは1泊2日の天文観測会に出かけることになった。

 電車に乗って出かける時の胸の高鳴りは今でも忘れられない。

 学校でのU君は極めてジェントルマンで上品だったが、「田舎」(失礼)でのU君はワイルドだった。
 河原でマムシを捕まえてはグルングルン振り回して放り投げる。

 「こいつは毒があるから気絶させてから捕まえるんだ」
 そう言ってのびたマムシを手でつかみ胸のポケットに入れる。
 「へぇー」

 東京育ちの僕らは目を丸くしてU君を見つめた。
 彼は照れ臭そうに笑った。
 僕らはますますU君が好きになった。

 さて、いよいよメインとなる天体観測の夜がやってきた。

 夕食を済ませると広い庭に出る、そこにはテントが張ってあり、その傍には少年たちの憧れの天体望遠鏡があった。
 東京と違い辺りに明かりは少なく空には今まで見たことがないくらいの星が瞬いている。

 U君は先生。
 残り4人僕らは生徒。

 先生が望遠鏡を覗き込みながら焦点を決める。
 そして僕らに教えてくれる「プライベートプラネタリウム」である。

 「オリオン座の三ツ星の下にボヤっとした煙みたいのが見えるだろ」

 僕らは一斉に空を見上げる。

 「あれがM42大星雲だよ」

 「へぇー」

 「それからあの赤っぽい星、あれがベテルギウス、オリオン座の一等星さ」

 「へぇー」

 僕らはトリビアの泉よろしく「へぇー」を繰り返しては代わる代わるに望遠鏡を覗いた。

 この日から僕は星や宇宙が大好きになった。


 今回の「タイトル」を見て「ああ!」と感じた人は同世代の人かもしれない。
 ウルトラセブンの名作のひとつ「ペロリンガ星人」が登場する回のタイトルだ。

 僕も当時の少年の例にもれず小学生時代はウルトラマンウルトラセブンに熱中した世代だ。

 僕は巨大な怪獣を倒すウルトラマンよりも、宇宙から地球を侵略しにやってくる宇宙人と対峙楊海成するというコンセプトのウルトラセブンが好きだった。

 したがって、等身大のシュールな宇宙人に限りなく心を奪われた。

 「メトロン星人
 「チブル成人」
 「ペロリンガ星人」

 が僕の三大お気に入り宇宙人である。

 そして、宇宙人を迎え撃つウルトラ警備隊、このメカニックがまたかっこよかった!
 山に隠された基地、基地から飛び立つウルトラホーク、そして敵の襲来を捉えるレーダー!

 さて、ここまでが「前置き」となる
 (今までで一番長い前置きかもしれないなぁ???)


 僕は先日「宇宙人の襲来」に備え地球を守る「秘密基地!」に出かけてきたのだ
 そして数あるレーダー群の中でもひときわ異彩を放つのは45mの巨大電波望遠鏡である。

 これはもう感動ものだ!

 遠くから見かけたときの「何だあれは?!」という驚き。

 間近で見たときのその圧倒的迫力を有する巨大なフォルム。

 まさに

 ? 「ちーきゅうをまもるけーびたい-」である!!


大望遠鏡

 
 僕はこの巨大な望遠鏡を見上げつつ、U君に教えてもらったM42大星雲とウルトラ兄弟の故郷M78星雲を重ねながら遠い宇宙へと思いを馳せるのであった。

 宇宙のことを教えてくれた「マンガ宇宙なぜなに事典」で学んだ数々の知識。

 1秒間で地球を7回半回る速さの光が1年かかって到達する距離が「1光年」

 M42大星雲まではおよそ1500光年???

 かりに今、星雲が爆発したならば、それは1500年前の出来事が今ようやく目の前で繰り広げられていることなのである!!

 宇宙が無限である限り、そこに存在する星の数も無限、ならば生命体が存在する可能性も無限大、この地球だけにしか生命体がいないという可能性は逆に無限大に小さいのだ。

 宇宙人は限りなく100%に近い確率で存在する??ただ遠すぎて会えないだけなのだ。

 
 宇宙はかぎりなく広い??

 それにくらべて僕ら地球人のなんと小さなことか???

 僕は少しずつ暮れ行く空にそびえる巨大なレーダー群のシルエットを眺めつつ
 「ウルトラ警備隊極東基地」をあとにした。


 三寒四温の日々を通り過ぎようやく春めいてきた今日この頃

 啓蟄の声を聴き冬眠から目覚めるがごとく、このブログも久しぶりの更新となる。

 多くの方のブログを訪問させていただくとみなさんほぼ毎日の更新??

 継続は力なりの言葉の通り頭が下がるばかりだ。

 というわけで??僕はちょっぴり恥ずかしげにこの記事を書いている。

 というのも??忙しい毎日がようやく一息つき、今日から三連休ということで気持ちに余裕が生まれ、クモの巣を払いつつもキーボードをたたき始めたというわけである。


 連休初日は映画を見に行ってきた。

 前から見ようと思っていた


僕だけがいない街

 
 とてもよかったです??

 僕の映画の評価基準に「睡魔」がある。
 ここ最近見た映画五本のうち二本で僕は睡魔にずプチ寝をやらかしている。
 つまらないと眠くなるのは人間楊海成の性である。

 今回は最初から最後までずっと画面に惹きつけられたままだった。
 内容は特に記さないが、ストーリーも演技(特に技が素晴らしかったです)も、映像も、音楽も、とても上手で、良質の長編ミステリーを読み終えた気分で映画館を出てきた。

 切ないながらもハッピーエンドだったことも気持ち良さの一つだ。


 さて、本題へ??

 僕は映画を見るのが大好きで平均すると月に4~5本程度の観賞となる。
 
 ここ数年月曜日が休みなのでTOHOシネマズの「auマンディ」の恩恵を最大限受けることができるのだ。1100円の料金はかなりのお得感、おかげでマイルも貯まり毎年月間パスポートまでいただいている。

ましょ出歩いてい


で、
結果的に僕は自分にとって必要不可欠なものを
入手することができたってわけです。

この、いかにもな箱に入ったインセンスも良かったですよ。

非常に長いんですよね。
30センチはあることでしょう。
半分に折って僕は使いましたが、
それでも1時Neo skin lab 代理人間弱は焚けますね。
それで500円。
こりゃ、とんでもなく安いですよ。
うん、大満足の結果です。


しかし、ここまでは去年の話です。
そのインセンスも残り少なくなってきたので
僕はふたたび《Mabolocci》さんに行って参りました。


こちらは店主の方です。
この方が非常に良いんです。
ご自分でもチベット(だったと思う)に行かれていて、
その写真も見せて頂きました。
お話も面白く、ずっと聴いていると
あっという間に時間が過ぎ去ってしまう感じです。


一回目のときも、まあまあ長くお話してくれたのですが、
今回も様々なことを聴くことができました。
そして、
新たなる、これまで見たことのないインセンスを
買うことも出来ました
(前に買った長いのが品切れだったからですが)。


でも、
ちょっと長くなったので
これは二回にわけちゃいますね。


1年を通じて最も寒い時期に突入してしまいましたね。
僕は寒いのがことのほか苦手な質なので、
この季節が最も嫌いです。
冷たい風が吹きすさび、厚手のコートを着ていても
体温が奪われていく――なんて書いているだけで
体幹まで凍えてしまいそうです。

この世界にはいろんな質の人間がいるもので、
ごくまれに僕は考えられないような人物に出会うことがあります。
それは、
この極寒の時期に半ズボン姿で出歩いているような人物ですね。
まあ、
主に小学生男子に多いから学校の制服なのかもしれませんけど
それにしたって、ねえ。
見てるだけで、こっちの太腿にも寒イボがたってしまいそうです。


ついこの間も、
ヒートテックをはき、ジーンズをはき、
足首には短めのレッグウォーマーを装着し、
セーターにマフラーにコートという僕の横を
半ズボン姿の少年が駆け抜けていきました。
感染症が流行ってるのだから、体幹を冷やすようなまねは
よした方がいいよ。免疫機健康生活能が弱まるからね」と
僕は言ってあげたかったです。
身体を鍛えるという側面もあるのでしょうが、
「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」と言うじゃありませんか。
それに、
見てる方まで凍えさせるような服装は
やめてもらいたいというのもありますしね。


で、
そのときに思ったんですけど、
ああいった半ズボン(鼠径部辺りまでの丈で、
ちょっと股間が危うくみえるタイプ)は
いったい何歳くらいまで着用O.K.なのでしょうね?
いや、かくいう僕だって
子供の頃は履いてましたよ。
よくは憶えていませんが、
小学校三年生くらいまででしょうか。
その頃から寒いのは嫌いでしたけど
冬場も履いていたように思えます。


だけど、あれは成長した男子が履くには
ちょっとマズい代物ですよね。
いえ、実際にいたんです。
埼玉に住んでいた頃だとは思いますが、
50歳くらいの初老のオッサンが
股間の危うい半パン姿で歩いているというのを
僕は何度も見ています
(念のため書いておきますが、幻視とかじゃないですよ。
だって、奥さんも見てますから)。


たしか、そのオッサンは
ホワイトシャツに黒っぽい半パンで、
サスペンダーまでしていたような気がしますね。
まさに、
小学生男子の制服そのものといった格好で
50がらみのオッサンが歩いているんです。
しかも、七三分けで、眼鏡をかけて。
まあ、
大人だって、夏になれば
膝丈くらいの半パンは履きますよね。
だけど、ああいうのじゃないんです。
股間の危ういタイプの半パンです。
冬場でもそういう格好でたように思えます。




「春、ごめんって、泣きながらわめいていたらしい。で、その後子どもが出来て名前を付ける時に、妻が言ったんだ。「春」にしうって。酔わないと誰かに謝れないような人は、一生かけて償わないと駄目……って」
「うわ~……そんなぁ」


高校を買機票卒業し、大学に入学し、自分の後を追っていると気がついてから、いつか話をしようと思っていた。
大人になった今は過去の惨酷な遊びを、若気のいたりだったと謝って、子どもだったんだ、悪かったなと、一笑に伏してしまうつもりだった。

それなのに、今も春美は、部室に1人置いて行かれた過去の世界に住んでいる。
慕う後輩を残酷に翻弄する、聡一の居る過去に。